2019.04.25 FX

GW前の重要イベントに要警戒か

24日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、111.68円から112.40円まで上昇した。ユーロドルは、独10年債利回りがマイナスとなったことで、1.1141ドルまで下落、ユーロ円も124.81円まで下落した。

本日の東京市場のドル円は、週末からのGW10連休を控えて「嵐の前の静けさ」を打ち破る可能性がある重要イベントを見極めていく展開となる。
外国為替市場のボラティリティーの指標である「JPモルガン・グローバルFXボラティリティー指数」とドル円の予想変動率が2014年7月以来の低水準を記録しており、「嵐の前の静けさ」への警戒感が高まっている。2014年7月のドル円は、2013年の「アベノミクス」により、2015年の高値125.86円に向けた上昇トレンドの踊り場にあり、101-103円での膠着相場だった。過去25年間でボラティリティー低下は3回あるが、その後、10%程度の変動を記録し、ドル円の場合は平均15%程度の変動となっており、今回に当てはめると、90円台か120円台へ向かうことになる。
ニューヨーク市場のドル円は、ドルが対欧州通貨・オセアニア通貨・新興国通貨で上昇したことで、年初来高値となる112.40円まで上昇している。
ドル円の買い材料は、武田薬品工業の買収関連の5000億円の円売りの可能性、売り材料は、日米通商協議での自動車関税や為替条項の可能性となる。
ドル円のテクニカル分析では、3月5日の112.14円から昨日の112.40円まで高値を更新したものの、14日間の相対力指数(RSI)は66台から62台へ低下しており、逆行現象・弱気の乖離によるダブル・トップ(112.14円・112.40円)の可能性は払拭されていない。
昨日からの日銀金融政策決定会合では、金融政策の現状維持、経済・物価情勢の展望(展望リポート)では国内総生産(GDP)予想の下方修正が見込まれている。1-3月期の国内総生産(GDP)がマイナスに転落したとの警戒感が高まっており、6月調査の日銀短観での景況感悪化を確認して、7月の参議院選挙前の消費増税の先送り観測がくすぶっている。過去4回の月例経済報告の景気判断の下方修正の後に、黒田日銀総裁が黒田バズーカ砲(第1-4弾)を打ち出していることで第5弾の可能性に警戒しつつ、黒田日銀総裁の消費増税への言及に要注目か。
本日は、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長とプーチン露大統領との首脳会談が予定されているが、北朝鮮は17日に新型戦術誘導兵器の実験を行っており、北朝鮮の非核化を巡る地政学リスクの観点から要警戒となる。
また麻生財務相とムニューシン米財務長官の日米財務相会談では、ムニューシン米財務長官が貿易合意に盛り込むと述べていた「為替条項」に関する協議に要警戒となる。
さらに、茂木経済財政相がライトハイザー米通商代表部(USTR)代表との第2回日米物品貿易協定(TAG)交渉のために訪米する予定となっている。米財務省は、毎年4月の中旬頃に為替政策報告書を発表しているが、今年はまだなので、日米財務相会談、日米通商協議のタイミングでの公表に要警戒となる。