ル円、米中貿易戦争から米中通貨安戦争への拡大で続落か
本日の東京市場のドル円は、米財務省が中国を為替操作国に認定したことで米中貿易戦争から米中通貨安戦争へ拡大する警戒感が高まりつつあること、9月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げ確率の上昇、朝鮮半島と中東の地政学リスクへの警戒感から軟調推移が予想される。
8月1日、トランプ米大統領が、9月1日に対中制裁関税第4弾(3000億ドル・10%)の発動を警告したことで、米中貿易戦争の休戦が終了した。
8月5日、中国商務省は、中国企業が米国の農産品の輸入を停止したことを明らかにし、中国人民銀行(中央銀行)が、ドル・人民元(オフショア)が2008年以来の1ドル=7元台への上昇を黙認することで、人民元安の「為替操作」に踏み切った。
易綱中国人民銀行総裁は、貿易紛争に対処する手段として為替相場を活用することはしないと表明したものの、トランプ米大統領は「中国は自国通貨を歴史的な安値付近にまで押し下げた。これは『為替操作』と呼ばれる。これは重大な違反で、時とともに中国の力を大きく弱めることになる!」と警告した。
米財務省は、中国を25年ぶりとなる「為替操作国」に認定し、米中貿易戦争は米中通貨安戦争へと戦線が拡大されつつあることで、米財務省によるドル売り・人民元買い介入の可能性が高まりつつある。
ムニューシン米財務長官は、「中国を為替操作国と認定。不公平な競走上の優位を排除すべくIMFに働きかける。競争的切り下げを控えるとの中国のG20での約束に違反する」と表明した。
中国の最終兵器としての報復措置は、米国債や米国株の売却であり、米財務省によるドル売り介入の可能性を受けて、トリプル安(米債・米株・米ドル)の可能性が高まることになる。ダウ先物は400ドル前後の下落、CME225先物も2万円を割り込んでいる。