2019.07.12 FX

ドル円、対中制裁関税第3弾後の中国6月対米貿易黒字に要注目か

本日の東京市場のドル円は、米中貿易戦争が休戦に入る前の対中制裁関税第3弾発動後の中国の6月対米貿易黒字に注目する展開が予想される。
ドル円は、7月30-31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での予防的利下げ観測が高まっていること、イランと米国の軍事衝突の可能性が高まっていることなどで、軟調な展開となっている。
米中貿易戦争が休戦の中、米中閣僚級通商協議の再開が模索されているが、核心的な分野での妥協点が見つからない模様で、難航が懸念されている。トランプ米大統領が中国がイラン制裁違反をしたことで対中制裁関税第4弾の発動を模索中、との報道もあり予断を許さない状況が続く。
5月10日に対中制裁関税第3弾(約2000億ドル・25%)が発動された後の中国6月の対米貿易黒字が拡大基調にあった場合、トランプ米大統領によるけん制発言、「為替操作」への言及が懸念されることで、ドル円の上値を抑える要因となる。
昨日の米国30年債入札が不調に終わったことで米10年債利回りが2.14%台まで上昇したが、中国の米国債離れの可能性もあり報復措置としての米国債売却の可能性に要警戒か。
さらに、イランと米国の軍事衝突への警戒感が高まっていること、「有志連合」派遣の可能性など、地政学リスク回避の円買い材料となっている。